認可保育園と認可外保育園(無認可保育園)との違いとは?保育料やメリットなども解説!
保育

2022年2月28日

認可保育園と認可外保育園(無認可保育園)との違いとは?保育料やメリットなども解説!

保育園には、国から認可を受けている「認可保育園」と、受けていない「認可外保育園」の2種類があります。認可の有無にかかわらず、公立・私立の違いもあるので、就職先を探す際に戸惑う方も多いのではないでしょうか。

認可保育園と認可外保育園では、労働環境や待遇、関われる保育の内容なども異なるので、就職先は慎重に選びたいですよね。

この記事では、2種類の保育園について、違いや働くメリット、転職市場の状況、転職時に確認すべきポイントまで詳しく解説します。

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1. 認可保育園と認可外保育園(無認可保育園)とは




■認可保育園



認可保育園とは、国から認可を受けて運営している保育園のことです。認可保育園になるためには、児童福祉法に定められた、次のような基準を満たす必要があります。

● 子どもに対する保育士の数
● 乳児室・ほふく室・保育室などの面積
● 調理室などの施設の設置

保育士の数は、乳児3人につき1人以上、満1〜3歳の幼児6人に対して1人以上など、年齢ごとに必要な人員数が異なるのが特徴です。施設の面積については、乳児または幼児1人につき1.65〜3.3㎡と、確保すべき面積が定められています。

また、2歳未満の子どもを入所させる場合は、乳児室や医務室、調理室などを設置することが条件となっています。
上記のような基準をクリアした園は、国や自治体から運営費を支給されます。

参考:児童福祉施設の設備及び運営に関する基準
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=323M40000100063

■認可外保育園(無認可保育園)



認可外保育園(無認可保育園)とは、国から認可された施設以外の保育園のことです。

児童福祉法に定められている基準は満たしていないことが多いですが、各都道府県の基準に沿って、都道府県知事からの認可を受けています。

認可外保育園の場合、園独自の料金や営業時間を設定できるというメリットがあります。園の特色を出したり、理念を叶えたりするために、あえて認可を受けない施設もあります。

延長保育の時間が長く、共働き家庭が利用しやすいのが特徴です。入園方法が認可保育園と異なり、園に直接申し込むので、利用者が自由に入園先を選べます。

■認可保育園と認可外保育園の違い



認可保育園と認可外保育園の最も大きな違いは、国からの認可を受けているかどうかです。

ここでは、各保育園の以下の5つの項目について解説します。

● 設置基準
● 保育料
● 無償化の範囲
● 補助金
● 施設の種類や運営方針

・設置基準



各保育園の設置基準は、それぞれ次の項目に定められています。

● 認可保育園:児童福祉施設の設備及び運営に関する基準
● 認可外保育園:認可外保育施設指導監督基準

どちらも厚生労働省が定めるものですが、認可保育園に対する基準の方が、より細いというのが特徴です。

認可保育園に対する基準には、子供1人あたりの保育士の数や必要な面積、受け入れる子供の年齢に応じた施設の設置、などが定められています。

・保育料



各保育園の保育料は、自治体が設定するか、園が設定するかという点が1番の違いです。

認可保育園の場合、運営費は国・自治体から支給されるため、保育料も各自治体が設定しています。保護者が支払う保育料は、世帯の所得や子どもの年齢・数などによって決まります。

認可外保育園の場合は、運営費の支給や補助がないため、保育料は自由に設定できるのが特徴です。園によって異なりますが、認可保育園に比べて高くなることが多いです。

・無償化の範囲



無償化の範囲の違いは、金額に上限があるかどうかです。認可保育園は利用料のほとんどが無償化の対象になりますが、認可外保育園は月額の上限が決まっています。

認可保育園の無償化の範囲は次の通りです。

● 0〜2歳:住民税非課税世帯の子どもの利用料
● 3〜5歳:一部施設の給食費・送迎費などを除く利用料

また、認可外保育園の無償化の範囲は次の通りです。

● 0〜2歳:住民税非課税世帯の子どもの利用料(月額42,000円まで)
● 3〜5歳: 「保育の必要性」認定を受けた子どもの利用料(月額37,000円まで)

住民税非課税世帯とは、世帯年収が一定額以下の家庭の事を指します。

・補助金



基本的に、認可保育園には国・自治体から補助金がおり、認可外保育園には補助金がおりません。

認可保育園の運営は、主に補助金でまかなわれているため、運営が安定します。その代わり、 設置基準などが細かく、自由度が低いのが特徴です。

補助金がおりない認可外保育園の場合、運営費は保護者から支払われる保育料でまかなわれています。園児が集まらない場合には、経営不振になる場合もありますが、教育方針や施設など自由度が高いのが特徴です。

・施設の種類や運営方針



認可保育園には、自治体などが運営する公立と、NPOや社会福祉法人が運営する私立の2種類があります。

公立の場合は自治体が定めた基準に沿って保育を提供し、私立の場合は運営母体によって異なる方針に沿って保育を提供しています。

認可外保育園の場合、運営元は法人のみです。自治体の基準のみを満たす「地方単独保育施設」や、会社内に設置されている「事業型保育施設」などの種類があります。

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2.認可保育園の保育料を決める要素




認可保育園の保育料は、各家庭の居住場所や所得・就労状況、子どもの年齢・人数などによって異なります。

ここでは、認可保育園の保育料を決める要素4つについて、それぞれ詳しく解説します。

■住民税



認可保育園の保育料を決める要素の1つ目は、住民税の額です。

住民税の額は、世帯全員の所得の合計額によって決まるため、実質、所得によって保育料が決まるといえるでしょう。所得というのは、自営業者と会社員・パート・アルバイトによって、計算が異なります。

自営業者の場合は、売上から支出や経費を差し引いた金額が、所得にあたります。給与所得を受け取る会社員やパート・アルバイトの所得は、源泉徴収前の収入額から給与控除を差し引いた金額です。

■自治体ごとの保育料



保育料を決める2つ目の要素は、自治体ごとに定められた保育料です。各自治体によって、認可保育園に支給する補助金の額が異なります。

補助金は運営費として使用されるため、補助金を多く出す自治体の場合は保育料が安く、少ない自治体の場合は保育料が上がってしまうでしょう。

子育て支援への力の入れ具合や、財政状況によって異なるので、各自治体で確認してみてください。

■子どもの年齢・人数



子どもの年齢や人数によっても、認可保育園の保育料は変動します。

認可保育園の場合、3歳以上の子どもの利用料は、一部の例外を除いて無償化が適用されます。3歳未満の場合は、世帯年収の条件があるため、住民税非課税世帯にあたるか確認するようにしてください。

また、預ける子供の人数によって、半額になったり、無料になったりする場合もあります。

■保育時間



認可保育園の保育時間には、「保育短時間」と「保育標準時間」の2つがあります。

保護者の働き方によって区分され、就労時間が短い方に合わせられるのが一般的です。保育短時間はパートタイムでの就労を、保育標準時間はフルタイムでの就労が想定されています。

それぞれのタイプによって、保育園を利用できる時間は次の通りです。

● 保育短時間: 1日8時間
● 保育標準時間:1日11時間

区分された指定の時間以上を利用する場合は、 延長保育料の支払いが必要となります。

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3. 認可保育園で働くメリット



保育士の職場を選ぶとき、国から認可を受けた認可保育園で働くか、それ以外の認可外保育園にするか迷いますよね。

ここでは、認可保育園で働くメリットを2つ紹介します。

■経営が安定している



認可保育園で働くメリットの1つ目は、経営が安定していることです。

認可保育園は、運営費を国や自治体の補助金から出しています。保育士の人件費なども補助金でまかなわれているので、経営不振で退職させられるということが起きにくいでしょう。

また、子ども1人あたりに対する保育士の配置基準などが決められているので、人手不足や長時間労働になりにくいのも特徴です。

■行事やイベントが豊富



認可保育園で働くメリットの2つ目は、行事やイベントが豊富なことです。

園児が20名以上とされている認可保育園では、子供が少ない保育園に比べてクラスが多く、行事やイベントが豊富になる傾向があります。

子どもの人数によって、園内に大きな庭やホールなどがあるので、お遊戯会や運動会などの行事が盛んです。

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4.認可外保育園(無認可保育園)で働くメリット



認可保育園に比べて自由度の高い認可外保育園は、園ごとに個性や就業時間などが異なります。
ここでは、認可外保育園(無認可保育園)で働くメリットを2つ紹介します。

■自身の強み・経験を活かせる



認可外保育園(無認可保育園)で働くメリットの1つ目は、自分の強みや経験を活かせることです。
英語・スポーツ・芸術など、園の理念や独自のカリキュラムに沿って、特徴的な保育を行う保育園があります。

国の認可を受けられる場合でも、独自の特徴を出すために、認可を受けないケースもあります。さまざまな強みを活かせる可能性があるので、自分に合った園を探してみてください。

■子ども一人ひとりにじっくり向き合えることも



認可外保育園(無認可保育園)の中には、規模が小さく、アットホームな雰囲気で子どもを見る園もあります。

子ども一人ひとりにじっくり向き合いたい方は、企業内保育園やベビールームなどの施設を探すと良いでしょう。

規模の大きい保育園と比べて行事が少ないですが、一人ひとりの成長に合わせて、丁寧な保育を行える環境といえます。

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5. 認可保育園と認可外保育園の転職市場




認可保育園もしくは認可外保育園で働きたいと思っても、求人がなかったら転職が困難になりますよね。
ここでは、認可保育園と認可外保育園の転職市場について、それぞれ説明します。

■認可保育園


認可保育園には、自治体が運営する公立の園と、NPO法人や社会福祉法人が運営する私立の園があります。

公立の認可保育園に勤める保育士は、地方公務員となるので、福利厚生が手厚く、勤続年数が長いことが特徴です。離職率が低いので、空きが出にくく、求人自体が少ないでしょう

一方で私立の認可保育園の場合、全国展開していたりと展開する園の数が多かったりします。そのため、求人が転職サイトに掲載されていることも多く、転職先が見つけやすいのが特徴です。

■認可外保育園



認可外保育園は、認可保育園に比べて求人の種類や数が多いのが特徴です。

営業する時間や日数、保育方針が園によって異なるので、自分の価値観やライフスタイルに合った職場を選ぶようにしましょう。

一般的な認可外保育園の給料は、政府や自治体から補助金を受け取っていない分、認可保育園より水準が低い傾向にあります。

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6. 認可保育園・認可外保育園に転職するときに確認すべきポイント




長い時間を過ごす職場は、慎重に選びたいですよね。
ここでは、認可保育園・認可外保育園に転職する際に確認すべきポイントを5つ紹介します。

■雰囲気



認可保育園・認可外保育園に転職するときに確認すべきポイントの1つ目は、園の雰囲気です。求人を出している保育園では、園の見学を開催している場合が多いので、職員や施設の雰囲気を確認するようにしましょう。

特に、認可外保育園の場合は、施設面積の基準が細かくないため、施設環境が整備されていないと感じる場合もあります。

施設の大きさや清潔さといった部分まで、働きやすい環境なのか、事前にチェックできると良いでしょう。

■保育時間



保育士が転職するときに確認すべきポイントの2つ目は、保育時間の長さです。

営業時間を自由に決められる認可外保育園の中には、早朝や夜間の保育を提供している施設もあります。もともとの開園時間が長いと、就業時間も必然的に長くなるでしょう。

また、認可保育園の場合は、11時間が保育を提供する標準時間とされていますが、保護者の要望によって延長保育を実施する可能性もあります。

自分の生活リズムに合った働き方ができる園を、探すようにしてみてください。

■園の保育方針



転職先の保育園を探す際には、園の保育方針も確認したいポイントです。

保育方針の違いは、主に公立か私立かで、分けられます。公立の場合は自治体が定めた保育方針に従い、私立の場合は運営母体が定めた方針に沿って保育を提供します。

特に、認可外保育園の場合は、英語や芸術、ダンスなど独自の教育カリキュラムを採用している施設もあるのが特徴です。

自分の理想に近い方針を掲げる保育園なら、納得感を持ちながら働けるでしょう。

■待遇面



働くからには、給料や福利厚生といった待遇面も、重要なポイントですよね。

認可保育園の場合、国や自治体の補助金で人件費がまかなわれることが多くなります。そのため、認可外保育園よりも給与水準が高いのが一般的です。

また、公立の認可保育園で働く場合は、地方公務員になるので福利厚生も手厚いでしょう。私立の場合でも、運営母体が大企業の園などは、休暇制度や福利厚生が充実していることが多いです。

園によって条件はさまざまなので、複数を比較しながら検討してみてください。

■人員配置



認可保育園・認可外保育園に転職するときの最後のポイントは、人員配置です。

子供や行事の数に対して人員配置が足りていないと、保育士1人あたりの負担が重くなり、長時間労働や休みが取れないといったケースが発生します。認可保育園では、人員配置が細かく定められているため、人員不足が起こりにくいのが特徴です。

逆に、認可外保育園では、人件費削減のためギリギリの人数で運営している場合もあります。応募や面接の際には、就労環境を確認するようにしてみてください。

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7.あなたにあった認可保育園を見つけよう




「認可保育園」とひとくちに言っても、園によって運営元や保育方針が異なるなど、バリエーションが豊富にあります。

施設や職員の雰囲気、人員配置などの労働環境も異なるため、複数を比較するのが大切です。保育方針や待遇が、自分の理想や希望に合ったものなら、より納得感を持ちながら働けるでしょう。

認可保育園への就職や転職を検討している方は、この記事を参考に、自分に合った園を見つけてみてください。

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この記事を書いた人

セントスタッフ株式会社
デジタルマーケティング部
中村璃奈

求人あるあるの求人作成・記事執筆を担当。保育士。 保育士として保育園で8年間勤務。大手から小規模まで様々な保育園で勤務経験あり。

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