エコマップ・ジェノグラムとは?違いや保育への活かし方・書き方を解説!
保育

2022年5月11日

エコマップ・ジェノグラムとは?違いや保育への活かし方・書き方を解説!


保育現場や支援する活動において、子どもの家庭環境を把握するのは簡単なことではありません。子どもをフォローしたくても「家庭環境の情報がない」「子どもを取り巻く環境が分からない」と悩む人もいるでしょう。今回紹介するエコマップ・ジェノグラムを使用すれば、家庭環境などで悩みを抱えている子どもに対して、より的確なフォローや働きかけができるようになります。

この記事では、「エコマップ」と「ジェノグラム」の違いや、記号の書き方などを解説しているので、エコマップ・ジェノグラムに興味がある方や、保育現場に関わりたいと考えている方はぜひチェックしてみてください。

 

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1. エコマップ・ジェノグラムとは?




エコマップ・ジェノグラムとは、家族構成や人間関係が分かるツールのことですが、詳しく説明できる人は少ないのではないでしょうか。そこで、「エコマップ」と「ジェノグラム」の定義や保育所などで活かす方法について解説します。

■エコマップとは?


エコマップは、周囲のコミュニティや相関関係を図式化したものです。「生態地図」とも呼ばれるエコマップは、家族だけでなく通っている保育園や支援所など、周辺の関わりが明確に分かります。一般的には下記の場所でエコマップが使用されています。

● 介護施設
● 病院
● 保育の現場

また、エコマップは、支援施設や教育現場などで重宝されているツールなので、支援活動などに興味がある方は、一度作成してみてはいかがでしょうか。

■ジェノグラムとは?


ジェノグラムは、家族構成を図式で表したものです。文字ではなく記号を使うことで、ぱっと見ただけでも理解しやすく、家族構成の判断がしやすくなります。また、家族の性別や年齢、離婚、結婚、生死などの情報も加えることができます。

■エコマップとジェノグラムの保育への活かし方


エコマップとジェノグラムは、周りの人間関係が理解しやすいように図式化されています。そのため、「虐待されている」「トラブルを抱えている」というような、助けを求めている子どもに気づきやすくなるでしょう。子どもの家庭環境が分かるエコマップ・ジェノグラムは、保育所だけでは分からない情報を知ることができるので、より的確な心のケアをしやすくなります。


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2. エコマップとジェノグラムの違い


エコマップとジェノグラムには、2つの違いがあります。それは、「情報のまとめ方」と「変化の度合い」です。それぞれの良い点を活かすことで、より詳細で分かりやすい図式にまとめることができます。

■情報のまとめ方


ジェノグラムは、年齢や性別、家族構成といった事実を必要とします。一方、エコマップは本人や周辺環境から話を聞いて、情報収集を行わなければいけません。例えば、下記のような周辺機関が本人にどのように関わっているかを調べると良いでしょう。

● 保育園
● 習い事教室
● 学童保育

聞き込みだけでは分からないことはたくさんあるので、作成者が客観的な視点で判断を行うことも珍しくありません。多くの情報を集めることは大変ですが、環境把握をしっかりすることが適切な手助けをする近道になります。

■変化の度合い


ジェノグラムは家族構成を表すので、基本的にはすぐに情報が変わることはありません。一方でエコマップは、環境が変わることで変更点が出てきます。例えば以下の通りです。

● 保育園から小学校に上がった
● 習い事が増えた/変わった
● かかりつけの病院が変わった

上記以外にもたくさんありますが、成長や環境変化によって変更しなければなりません。大変に思われるかもしれませんが、複雑な変化や変更点があったとしても、図式化されているので、簡単に把握できるでしょう。


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3. エコマップの記号と書き方





上記の図は、5歳の女の子を対象としたエコマップです。図式からは以下の内容が分かります。

● 両親は別れたが、母親は継父と結婚
● 母親と継父は、2人の娘ができた
● 5人家族で住んでいる
● 本児と継父は仲が悪い

記号の中に記載されている数字は年齢です。ジェノグラムでも同じ書き方をしますが、同居している家族を表す場合は、図形全体を丸で囲むと分かりやすいでしょう。またエコマップは、環境や成長の変化で状況が変わるので、作成した日や変更した日を記載するようにします。今回の図式は、左下に5歳児が記載されていますが、対象者を真ん中に書く場合もあるので、現場の作成方法に合わせましょう。

■関係性を付け加える


エコマップは、周囲の情報があればあるほど、より明確なフォローやアプローチができるようになります。例えば、下記のような情報があればエコマップに追加していきましょう。

● 母親は本児のことを放置しがちである
● 継父は本児に対して虐待の可能性がある
● 母親と継父の間にできた妹とは仲が良くない
● 本児は友達が少ないが、1人だけ仲の良い友達がいる
● 保育園の担任は積極的にフォローしている
● 近所から虐待の通報があり児童相談所がフォロー体制に入っている
● 実父とは連絡を取っていない

このような情報は文字で書くと理解しづらいので、記号や図で表せる部分に関しては、図式として記載すると見やすくなります。


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4. ジェノグラムの記号と書き方






こちらの図は、3歳の女の子を対象としたジェノグラムです。図式からは以下の内容が分かります。

● 母親は離婚したあと今の父親と再婚
● 前の夫との間に10歳の女児がいる
● 10歳の女児5歳男児、両親と5人暮らし
● 母方の祖父は亡くなっている
● 父方の祖父は分からない

文字で書くと難しそうな内容も、記号などを使って図式化することで、ぱっと見ただけでも理解しやすくなります。詳細が分からない人に関しては、「?」または「不明」と書いておくと分かりやすいでしょう。

■ジェノグラムの記号


次に、ジェノグラムでよく使われる基本の記号を紹介します。性別を表記する際は、以下の記号で区別しましょう。

□ 男性
〇 女性
△ 不明

基本の簡単な記号なので、初めての方はまずこの記号から覚えると良いでしょう。年齢を記入する際は、記号の中か下に書き入れるようにすると、分かりやすいです。

・本児の記号


対象となる子どものことを「本児」と呼び、図式は二重線で表します。本児を表す記号は、以下の通りです。



左が女児、右が男児です。年齢が分かれば記号の中などに記入しておきましょう。

・死亡・妊娠を表す記号





死亡を表す記号は、丸の中にバツ印を書くか、丸を黒く塗りつぶします。どちらにするかは、現場の作成方法に合わせましょう。妊娠中の女性は、丸の中に三角を書いて表記します。

・離婚を表す記号





離婚している場合は、夫婦を結ぶ結婚線に二重線を加えます。一本の線で区切る場合もあるので作成時に確認しておきましょう。他にも、別居を一本線、離婚を二重線で使い分ける方法もあります。


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5. エコマップ・ジェノグラムの作成のポイント




エコマップやジェノグラムを作ることは、一見すると大変な作業のように思えます。しかし、作成する上でのポイントを把握することで、後々の業務にも活かせる資料となるでしょう。以下では、エコマップ・ジェノグラムの作成のポイントを紹介します。

■パソコンでも手書きでもOK


エコマップ・ジェノグラムはさまざまな方法で作成可能です。パソコンで作成する場合は、WordやExcelを使用します。パソコン作業に慣れていない方は、手書きで作成しても問題ありません。必ずしも「こうしなければいけない」というルールはないので、まずはやりやすい方法で作成してみてください。

■保護者との信頼関係が重要


エコマップ・ジェノグラムを作成するときは、保護者や周りの関係者との信頼関係が大事なポイントになります。何か問題があると感じていても、コミュニケーション不足の場合は表面上のことしか把握できないケースもあるためです。

信頼関係を作るにはちょっとしたコツが必要です。簡単に試せるポイントをいくつか紹介します。

● 真剣に相談にのる
● 関心を持つ
● 喜ぶような話題をふる
● 褒める
● 話に共感をする

このようなポイントを意識して信頼関係を築けるようにコミュニケーションをとると良いでしょう。エコマップ・ジェノグラムを作成していくと、虐待の疑いが出てくることもあります。「虐待かもしれない」という可能性があれば、児童相談所に報告しましょう。また、作成したエコマップ・ジェノグラムは、共有資料として使用できるので、保管しておくと良いでしょう。


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6. エコマップ・ジェノグラムのまとめ




エコマップ・ジェノグラムの書き方や現場で活かす方法について紹介しました。複雑な内容を図式化することで、頭の中を整理しやすくなり、シンプルに考えることができます。一見、問題がなさそうな家庭でも、聞き込みや情報収集をしていくなかで虐待などの問題が隠れているケースは少なくありません。

複雑な家庭環境を知るためには、家族や周囲の人達としっかりコミュニケーションをとる必要があります。エコマップ・ジェノグラムを作成する際は、なるべく多くの情報を集めましょう。時間はかかるかもしれませんが、情報が多いほど適切なフォローやアプローチができるようになります。

エコマップ・ジェノグラムに「興味がある」「保育現場で活かしたい」という方は、今回紹介したポイントや書き方を意識して作成してみてください。


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この記事を書いた人

セントスタッフ株式会社
デジタルマーケティング部
中村璃奈

求人あるあるの求人作成・記事執筆を担当。保育士。 保育士として保育園で8年間勤務。大手から小規模まで様々な保育園で勤務経験あり。

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